後継者問題にどのように接するべきか?

これまで経営者向けのセミナーを多数手掛けてきましたが、昨年からは保険会社、銀行、信用金庫といった金融機関の職員向けの研修が増えてきました。

背景には、好調な経営環境を受けて(実際は恩恵を受けていない中小企業も多いですが)、事業承継にいよいよ本格的に取り組みだした企業が増えてきた結果、いもづる式に事業承継が増えてきているということがあるように思います。
また、金融機関も差別化をしていく中で、事業承継というタイミングで競合から攻められることも多く、防衛の意味で、あるいは逆にシェアを奪還したり新規顧客を獲得する武器として、事業承継へ本格的に取り組みだしているともいえます。

弊社でも、お陰様で5社の金融機関(詳細はこちら)と事業提携を結ぶに至っておりますが、そうした背景があってのことと考えております。

金融機関の職員から質問される内容で最も多いのは、「後継者問題にどのように接するべきか?」というものであります。
これは裏を返すと、経営者から質問される内容としても最も多いのがこの質問であるということです。

さて、後継者問題にもいろいろありますが、大きくは次の3つだと考えています。

① 後継者が見当たらない。後継者がいない。
② 後継者候補が複数おり、誰にすべきか迷っている。どのようにして選択すべきか。
③ 後継者がいるが、まだまだ未熟である。どのように教育すべきか。
④ 番外編:能力はあるが自分と考え方が合わない、経営のやり方が自分と違うので不安だ。

順番に詳しく見ていきましょう。

① 後継者が見当たらない。後継者がいない。

これは、経営者が発言している場合には注意が必要です。

経営者から見ると自分より優秀な人間は社内にはいません。回りを見渡せば優秀な後継者候補になりそうな人もいるのでしょうが、入社することは極めて難しいはずです。また入社して経営者として本当に優秀かどうかは実は怪しい面があります。

私たち事業承継士は、経営者のこの発言は疑ってかかれ、という格言のようなものを持っています。
よって、経営者からこの言葉を聞いたら、「社長、まだまだ未熟でもいいので、鍛えれば経営者として何とかやれそうな人はいませんか?」と食い下がり、その人物と面談をすることも時にはあります。
そして後継者アセスメントという手法を使って、この人物が経営者にふさわしいかどうかのジャッジを任される場合もあります。
いくつかのポイントがあるのですが、経営者として任せれるかどうか、資質があるかどうかを判断するのは、『最後には、会社で起きるすべての責任を取る覚悟があるかどうか』『連帯保証に印鑑をつくのをためらわない。億単位の借入金の引き継ぎにびびらない度量があるかどうか』といった精神面が大きいように思います。

② 後継者候補が複数おり、誰にすべきか迷っている。どのようにして選択すべきか。

複数いる場合は、社内で競争させるのは従業員数が100名を超えるような規模の会社であればそれほど問題はないでしょうが、それより少ない中小企業の場合は、あまり良い影響を与えないように経験則として言えます。
これは、後継者争いに負けた方の立場がなくなり、会社分裂あるいは優秀な方の離脱を生む可能性が高いからです。
特に同期からの抜擢は、後継者にならなかった方の処遇を考えないと、思わぬところで足を引っ張られることがあるかもしれません。
したがって、一方が後継者であれば、もう一方は、取締役工場長、取締役営業部長、あるいはスーパーマイスターなど、尊敬の念と独自のポジションを与えるなどして処遇が必要です。

また、複数いる場合の給与額の決定は、経営者が行った方が後腐れがないでしょう。後継者争いに勝った方が負けた方の給与額を決定するというのは、日本的には何ともやりにくく、人間関係のひびのもとになりかねません。

③ 後継者がいるが、まだまだ未熟である。どのように教育すべきか。

まずは、書籍を読ませる癖をつけましょう。
この書籍から学ぶことはとても大きいです。読ませる癖をつけるには、強制的に読ませるような環境を作ることが必要です。(手前味噌になりますが、弊社では全国11か所で後継者塾を運営している実績があり、そこでは毎月1冊の本を強制的に読ませる環境を作っています)
他社修行のやり方と、自社ローテーションのやり方については、1月21日と27日に港区にて事業承継セミナーが開催されますので、そこで詳しくはお話をさせていただきます。

④ 番外編:能力はあるが自分と考え方が合わない、経営のやり方が自分と違うので不安だ。

「経営への考え方の違いをどのように擦りあわせていくのか」についても上記のセミナーで解説していきますので、お楽しみにしていてください。

※なお、当セミナーは東京商工会議所の会員であってかつ港区内の事業者が本来の参加資格ですが、今回メルマガを見て申し込まれた方は、申込書の枠外に(「事業承継センターのメルマガを見た」とご記入頂ければ、無料で参加できます。

金子 一徳

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