天皇陛下の生前退位報道から経営者の引退を考える

先日、日本経済新聞社の世論調査で、天皇陛下が存命中に天皇の位を譲る「生前退位」について聞いたという記事がありました。憲法は天皇の政治的な活動を認めていないが、陛下が生前退位の意向を示されることは「憲法上、問題があるとは思わない」が80%を占めました。生前退位を認め新しい制度をつくるべきだとの意見も77%に上ったようです。2016/7/24 22:00

天皇陛下の生前退位のご希望を聞かされて、改めて思ったことは、生まれながらの宿命、天皇家の重たい責任を背負っているという責任感と、経営感覚のすごさでした。
ご自分の退任の潮時を見極め、後世のために今できることは何かをお考えになった結果のご発言だと思いました。

私は、事業承継士として日々活動する中で、どうしてこうも「先代が上手に引退できない」のか不思議で仕方ありませんでした。
多くの企業で、事業承継の条件が整って来て、後継者の準備もできているのに、なぜ若い世代に代表取締役の肩書きを譲らない人が多いのでしょうか?

その理由を「先代の性格とか気分」のせいにしていませんか?
もっと合理的な理由の発見と対処法があると思いませんか?
皆さんは、どう思われますか?

私は、事業承継と言う「会社の仕事&財産の引き継ぎ」と、「人生・自分の生きる目的」をべったりくっつけて、「仕事と個人の切り離し」ができていないからだと思っています。これは、人生の大半を会社に捧げてきた経営者なら致し方ないようにも思えます。

ある程度の年齢になれば、だれでも体力が衰えて、加齢による老化に気がつきます。その肉体的変化を受け入れられずに、無理に若さを得ようとしたり、年齢を隠すことに力を入れたりします。

その状況を整理すると
①自分の変化を客観的に見られない「見える化不足」。
②自分だけは特別と思い込む「過信」。
③自己流の環境づくり「防御」。
④老害の発生「若手の成長を妨害」。
という要素が見えてきます。人間であればいつかは必ず直面する『老い』。誰もが通る道なのかも知れません。

ですが、事業承継においては、こうした兆候が見られたら、後継者の側からの事業承継アプローチは注意が必要になります。無理な、力による引退勧告や、立ち場を奪うような強引なやり方はそぐわないからです。

ではその対策はどうすれば良いのでしょうか?

何よりも、経営者の方が「自分で気がつく」ことが出来る様に、慎重にアプローチすることが重要です。「引退時期を悟っていただく」ためには、「気づくための仕掛け」が必要となります。経営者とて、老害などと言われて晩節を汚したくはありません。自分で気がついていただき、円満に後継者への引き継ぎが出来れば、お互いのメリットになるはずです。

どうすれば良いか、今後のセミナーや事例紹介でお話ししていこうと思いますが、お急ぎの方には「仕事の手仕舞いノート」にまとめましたので、是非ご一読ください。¥1500で販売しています。(2016年8月1日より販売開始)

内藤 博

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