イマドキの若い後継者は、次の矢を放て

イマドキの若い奴ときたら

いつの時代も若者は、過去の世代からすると、鼻持ちならないように映るもののようだ。約5000年前のエジプトの遺跡の中にも、この言葉が書いてあったという説があり、古来より言われ続けられているようである。「イマドキの若い奴」が、とやかく言われながら変化をもたらし、次の若者の台頭に対して、「イマドキの若い奴」と言い放つ、その繰り返しが現在を作ってきた。

何かを変えるときは、安定を乱さなければならない。そこに安住していた人たちには、少なからず抵抗感を持つだろうし、変化を力で抑えようとすることもある。イマドキがそれを打ち破ってきたからこそ、新しい何かが生まれてきた。事業承継の場面では、「イマドキの若い奴」は、もちろん後継者である。中小企業白書によると、事業承継を契機に、新しい取り組みを約60%の会社がはじめ、そのうち半数以上が業績を向上させているとある。まさに後継者は会社を変化させる担い手である。

事業承継時は、社長も後継者もとかくいろいろなことに悩み、ぶつかり、身体も心も疲れてしまうものである。株の問題、組織の問題、会社を去ることの悲哀、最高責任者となることのプレッシャーなど、数えきれないほどの問題を抱え、一つひとつ解決しなければならない。そのピークは承継時の前後1年、合計3年というところだろうか。この3年が本当に大変なのである。会社として考えてみると、経営者が変わるたび、約20年サイクルで起きる大変なイベントとなる。

しかし前述のとおり、事業承継は次の時代のために会社を変化させて、新たな推進力を得るためにチャレンジする機会とも言える。そしてチャレンジしたものは、業績向上という果実を得ることができる。確かに社長と後継者の当事者同士は苦しく大変な思いをする3年間であるが、会社の長いライフサイクルから考えると、次の20年を生き抜き、成長するための大きなチャンスであると考えることができる。誤解をいとわずに言うと、事業承継は会社にとって非常にポジティブに考えるべきイベントなのではないだろうか。

一つだけ後継者が注意することは、チャレンジを目的としないということである。目的はあくまでも、会社の存続成長であり、チャレンジはその手段である。よくあるのは、自社の文化や歴史、強みなどを考慮せず、世の中の風潮やはやりのカッコいい●●戦略とやらをそのまま自社に導入しようとするものである。大抵の場合は、自社のビジネスモデルにうまく合わなかったり、組織がついて来られなかったりして、早い段階で失敗してしまう。その意味で、後継者は自社“らしさ”を徹底的に知ったうえで、チャレンジすることが求められる。

それを踏まえて、後継者の皆さん=「イマドキの若い奴」に言いたい。

事業承継をチャンスととらえて、次の矢を放て!

 

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であり、今年も変わりませんが、内容はさらにパワーアップしています。

自分の会社”らしさ”をしっかりと踏まえ、次の矢を放つためのカリキュラムに仕上がっています。
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後継者塾のガイダンスを無料で行います。単に塾の説明ではなく、後継者としてもつべきマインドや思考などもお伝えします。

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3月26日(土)→教室型ワークショップ
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(Writer:東條 裕一)