会社を継いだら

 

「会社を継いだら、そのあとはどうするんだっけ?」
ご存知の通り、後継者にとって事業承継は、とても重要でストレスのかかる大イベントです。
株式、税金、退職金、保証人、組織の掌握など、一筋縄では解決できない問題を乗り越えなければなりません。そして、やっと事業承継を終えて、社長の椅子に座ってホッとして、ふと振り返ってみて、気づくことは「あれ、社長は何をするんだっけ?」。

そんなことで悩んでおられませんか?

 

「どうすれば後継者として認められるの?」
自分の居場所を見つけたいのだがそれが見つからず、毎日居心地の悪い気持ちでいる後継者もたくさんいます。

社長や先輩社員から、「あいつなら大丈夫だ」と認められたい。しかし、経験も知識も全くかなわない。どうすればよいんだろう。自分なりの土俵をもって何かを始めたいのだけれど、きっかけがつかめない。毎日時間だけが過ぎていき、自分の成長が実感できないでいると悩んでいませんか?

 

「では何をすればよい?」
会社経営そのものは学んだはずだが、何かが物足りない、売上が右肩下がりだ、そもそも自分の会社がいる業界自体が斜陽産業じゃないなのか?同業他社で新製品・新サービスを出している会社があるけど、自分は何をしたらいいんだろう?不景気の中でもうまくやっている会社があるのに、うちは今一歩波に乗れない。

うーん、この業界で自分はゲームチェンジャーに駆逐されるか?どうやったら自らゲームチェンジャーになれるのか?といったことを悶々とお考えになっている新社長や後継者が何をすればよいのか?

それは、既存の事業や商品にブレイクスルーを起こすことです。若さがあり、既成の枠組みにとらわれない、良い意味で成功体験がない、新社長や経営者だから、会社にイノベーションをもたらすことができるのです。

 

中小企業にもイノベーションってできるの?
もちろんできます。神奈川の金属加工業のお話です。その会社は、受けた設計に対して、正確に、納期通りに品物を納めることで、高い評価を得ていました。創業者の手堅い経営手腕のもと、盤石な財務状況を築いてきました。
引き継いだ後継社長は、正確性、納期厳守だけでは、これからは差別化できないと感じ、イノベーションを起こそうと考えました。設計部門への進出です。言われたものをつくるだけではなく、つくるものを顧客と一緒に考えることで、付加価値を高める経営革新です。
先代のつくった強い財務基盤を活用し、本社屋から数百キロ離れた場所に設計部門をつくり、現地の優秀な若手を採用しました。都心では、中小企業が採用できないような、将来有望な人材ばかりです。設計はインターネットでデータをやり取りすることで、距離の遠さなど簡単に乗り越えることができました。
現状は、金属加工の付加業務の位置づけですが、将来は、設計そのものを受注して設計部門単体で利益を得る体制をつくろうとしています。また、現地で設計スクールを開校することも構想に描いています。

 

(終わりに)
上記の例は典型的なInnovationですが、

「24時間の納入体制に切り替えることで売上高を6倍にした畳屋さんのケース」

「クリームソーダの盛り付け方を変えただけで売上高を5倍にした喫茶店のケース」

「酒造りの技術部分を社長が行うことで役割分担を変えて売上高を3倍にした酒造メーカーのケース」など、売り方、見せ方、生産方法を変えるのも立派なInnovationなのです。

皆さんの会社も自社で気付いていないリソースを組み合わせ、減らし、付け加え、形を変え…etcすることで、実はInnovationが可能だということを学ぶ『INO塾』 を9月3日に開講しますので、ぜひご興味ある方は、ご参加ください。

(Writer:事業承継センター パートナーコンサルタント 伊藤眞理子)

 

◆ INO塾(イノじゅく)へようこそ!9月3日から開講します! ◆
Innovationの“Inno”からネーミングしたINO塾です。

後継者のためのイノベーション創出講座です。

日本全国から参加いただけるよう全10回のオンラインコースになっております。参加者は後継者だけではなく、現経営者、経営幹部も受講可能ですが、事業承継士、事業承継プランナー、各士業の方々も受講可能です。

承継する前、承継した後に、会社にイノベーションを起こしたいと思っている方、専門家としてお客様のイノベーションの支援をしたいと考えている方、たくさんいらっしゃると思います。

そんな時、皆さんにイノベーションについて学んでいただけたらと思い、門戸を広げてお待ちしております。是非、奮ってご参加下さい。